勝間和代さんのベストセラー。普通のサラリーマンやOL向けのわかりやすい投資入門!『お金は銀行に預けるな 現代の労働者層の個人投資家が知るべき金融リテラシー』の要約

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お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

 

金融リテラシーの基本原則

金融リテラシーとは、金融に関する情報や知識を単に学ぶだけでなく、そこで与えられたものを批判的に見ながら自己の金融に対する学習を経験として重ねていくことで、金融の情報や知識を主体的に読み解くことができるようになることを指す。

具体的には、

  • 金融の役割について直感的に理解できる力
  • 金融の基本的な理論、特にリスクとリターンの関係を理解する力
  • 個別の金融商品について、情報を正しく入手する力
  • 入手した情報の中から、コストを見抜く力
  • 入手した情報の中から、リスクを見抜く力、
  • 入手した情報の中から、期待リターンを計算する力
  • 上記を組み合わせて、自分にあった資産ポートフォフォリオを作る力

安全資産の比率が高ければ高いほど、資産目減りリスクは避けられるが、リターンは得られない。これは、家計における資産のほとんどを労働による収入に頼らなければならないことを意味する。長時間労働せざるを得なくなる。結果、金融を勉強する時間がなくなり、ますます労働に頼るという悪循環が生じる。少子化も進む。単純労働ではアジア諸国やITに負けるため、日本人は金融資産から収入を得なければ生き残れない。

株が大きく下げたというイメージが強い2002~3年を含めても、例えば1998年から現在まで株(TOPIX)を保有していれば、年率平均3.4%のリターンとなっている。もし同年に10年国債を買っていたら、1.5%のリターンにしかならない。まして銀行預金だったら、その悲惨さは甚大。銀行預金者は、絶対的には資産は目減りしていないが、「相対的に」目減りしているのである。資産を現金・預金のまま寝かせておくことは、非常に大きな機会利益の損失なのである。(さらに言えば、分散投資の対象として外貨資産を積極的に含ませていくべき。なぜなら海外の大半の国の経済は日本より成長率が高く、金利も高いから。詳しくは後述)

株・債券・投資信託などは、変動はあるが、統計的に見て確実に値上がりするもの。世界中の人々は、よりよい生活を送るために働いている。その活動を支えるには、誰かがリスクをとって資金的なサポートをしなければならない。リスクをとることに対する見返りがなければ誰もサポートしなくなる。よって今日の資本主義経済においては、投資に対して必ず見返りがあるようにできている。世界では、資本主義がうまく機能し、成長しているという事実。これは今後も続くはず。投資とは、いわば資本主義そのもの・成長進化を続ける人類に対する投資であるともいえる。

「リスクが大きい」とは、「価格が下落する可能性が高い」ではなく、「価格の変動幅が大きい」である。価格が下落するとわかっていれば、空売りでもすれば儲けを出すことは可能。

また、リスクというのはあくまで計量可能で、コントロール可能なものを指す。計量できない、すなわち「価格の変動幅がわからない」というのは、リスクではなく単なるギャンブルである。

金融リテラシーがつけばつくほど、世の中に楽なお金儲けの方法などないということを痛感する。金融で儲けるには、労働で儲けるのと同じくらい、あるいはそれ以上の勉強と努力が必要だということを肝に銘じておくこと。

金融は非常に公正な市場で、勉強すれば勉強した人に必ずリターンが返ってくる仕組みになっている。そこにはいやな上司や、妙な社内政治はなく、アマもプロも同じ立場で勝負する。実力主義の厳しい世界である。

金融商品別の視点

分散投資とは

Asset allocationすなわち自分の資産の配分を決めること。これでリターンの80%が決まる。「どの銘柄を買うか」なんて迷う以前に、資産配分を自分に合わせて決定すること。

見かけのリスク・本当のリスク

「人間は、利益が上がることによる効用の増加よりも、同額だけ損失を受けたことによる効用の現象のほうが大きい」byカーネマン(2002年ノーベル経済学賞受賞)つまり、長期的に見て五分、もしくは利益が上がるにもかかわらず、「損する年がある」というだけで大きなマイナスイメージを持ってしまうため、投資に踏み切れない。

流動性リスク

売り手の価格と買い手の価格が離れていると、売りたいときに売れず、買いたいときに変えない、すなわち流動性リスクが高い。

「ためらい」が儲けの源泉

上記のイメージから、リスク資産への投資がためらわれ、不当に安い金利であるにもかかわらず、銀行や郵便局は低利で大量の資金を調達し、儲けてきた。

この「ためらい」を打ち破ること、つまりリスクをとることが儲けにつながる。

定期預金にも手数料がある

銀行は、定期預金で集めた金を、インターバンク(銀行だけが参加できる市場の取引)に預けるだけでサヤを抜くことができる。これと手数料が相殺しあっているので見えないだけなのである。預金者は、インターバンクに直接アクセスできれば得られたであろう金利を失っている。

債券や株式でも手数料はかかるが、直接市場にアクセスできるため、市場からの金利を100%得ることができる。

いずれにしても、銀行や証券会社や信託銀行に手数料を払っていることに変わりはない。リスク&手数料とリターンを両にらみすること。

定期預金と国債

リスクフリー…お金を貸しても貸し倒れるリスクがない商品

なぜ私企業である銀行の定期金利より、国債の利率が高いのか。特に理由はない。上述のインターバンク原理と同じで、銀行は預金者の金を国債に回すだけでサヤを抜ける。

普通預金や決済サービスは手間がかかるためあまり儲からないが、そこで得た顧客を定期や住宅ローンに結び付けて儲ける。金融機関は国債を勧めたがらない。

当たり前のことだが、

  • 円の金利の標準は国債の金利で決まる。
  • 金利は通常、期間が長くなるほど高くなる(逆転は市場の今後の不景気の確信)
  • 信用リスクのあるところの金利は、国債の金利より高い

国債に基づいた金利の一覧表

http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

定期預金の金利

http://www.bk.mufg.jp/cdocs/list_j/kinri/yokin_kinri.htm

個人向け国債の案内

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinnmuke/index.html

株式

ファンダメンタルズ分析…企業の業績や株価などを用いた投資指標によって株価が割高か割安かを分析すること。学術的証拠があり、疑いはない。

チャート分析…チャートパターンやテクニカルチャートを利用することで株価動向を分析すること。学術的証拠はなく、統計上、ファンダメンタルズ分析のリターンに劣る。

個人は非常に高い確立で損をする。情報量と資金管理力では機関投資家にまったく歯が立たない。国内信用取引残高損益率の推移表がそれを証明している。

毎日しのぎを削るプロの投資家たちは、常に割安な株がないかを必死になって探しているため、ほとんどの株が適正価格になってしまっている(効率的市場仮説)。個人が人気のある成長株を買うことは、宝くじを買うことと同じ。

個人が勝つならデイトレードのように細かく儲けるか、機関投資家が扱わない商品(中小型バリュー株など)で儲けるか、(長期保有で儲けるか)である。

結局は、自分で銘柄を選別せずに、株式市場平均に連動したインデックスファンドを買えということ。個別銘柄を狙って楽しみたいならば、趣味の範囲にとどめること。

為替

海外のほうが日本より金利が高いのは、リスクフリーレート(≒リスクがない投資商品につく金利。国債の金利など。)が高いからであるが、なぜリスクフリーレートが高いのか。

金利はざっくり、金利=インフレ率+実質金利 というような式で表せる。海外の金利が高いのは海外のインフレ率(物価上昇率)が高いから。日本は長期的なデフレなのである。

「では、この状態が続くなら、円を外貨に換えて預金すれば確実に儲かるではないか」

そうじゃない。海外のインフレ率が高いままだとどうなる?日本で120円、アメリカで1ドルのものが、何年後かに、120円に対して1ドル30セントになる。すなわち、1ドル90円になる。つまり、円高になる。もうわかっただろう。これが為替リスクだ。

為替予約(取引時の為替相場とは無関係に、一定価格で為替取引を行うこと)も、将来の金利差を予想して、きっちりレートが調整されている(例えば今1ドルが120円だった場合、2年後のドルは110円でしか売買できない)のであまりメリットがない。

逆に、理論どおりに円高に向かわない限り、円貨以外で運用したほうが、リターンが高いといえる。円安に進みでもしたら、金利差と為替差の二つの要因で儲けられる。この仕組みを利用したのが、グローバル・ソブリン債(グロソブ債)である。これは名前どおり、世界各国の政府発行債券(国債等)に分散投資を行う投資信託である。分散投資されるため、為替リスクが軽減される。

すべてを外貨(グロソブ)に投資するのは危険だが、すべてを円で持ち続けることも危険。

外貨預金は二重の手数料がかかるためあまりお勧めできない。すなわち、①通貨を換えるときの手数料(円を外貨に、外貨を円に、往復で二度取られる) ②ソブリン債と定期預金のスプレッド(スプレッド=買値と売値の価格差。手数料。米国債での運用と、日本の銀行での外貨預金では、前者のほうが金利が高い。つまり、この差は手数料として取られている)

もし外貨預金と同じ効果で金利を得たいなら、FXを勧める。これは、一定の証拠金を証券会社に預け、その何倍かの外貨を買うことができるというもの。例えば、100万円をドル預金する代わりに、10万円を証拠金として預け、100万円分のドルを買う。金利差(スワップポイント)を毎日得ることができる。

FXが外貨預金より優れている点は、①通貨を換えるときの手数料が非常に安い ②金利は市中金利がそのまま適用されるため、定期預金よりも通常高い ③少ない元本で多くの外貨を買う野と同じ効果があるので資産効率がよい である。ただ、③については、自分の資産の限られた範囲の元本相当分(四分の一程度まで)にあたるドルを買うこと。

また、FXには店頭取引と取引所取引の二つがあるが、後者のほうが手数料が安く、流動性も高いためお勧め。詳しくは、くりっく365ホームページで(http://www.click365.jp/)。

不動産(住宅)

個人で持つ最も大きな金融商品である。ポートフォリオのバランスを保つため、買っていい不動産(割安なもの)と買ってはいけない不動産(割高なもの)を見極めるべし。

住宅ローンを組むことは、銀行をはじめとする数多くの企業の儲け口になっている。イコール消費者が損をしているということ。住宅ローンの金利が高いのは仕方がない(銀行は貸し倒れリスクをとっているから)が、借りている私たちがローンを返せなくなるリスクがあまりないとしたら、返済しない人のリスクの分まで私たちは銀行に支払ってしまっていることになる。バブル時代は、不動産の値上がり分がローンの金利を補って余りあるものだったので問題はなかったが、今は少子化などでそれが見込めない。土地の値段が上がりにくいときは住宅ローンを組むべきではなく、その頭金をほかの金融商品に投下すべき。

それでも住宅を買いたいときは、新築マンションを避けること。特に大規模な宣伝を行っている大型分譲。なぜなら、新築購入価格の30%ほどが粗利・広告費であるから。そのため、例えば4000万円の新築マンションを買って翌日転売することになれば、3000万円でしか売れない。この1000万円で、モデルルームから人件費まですべてをまかなっているのだ。

また、マンションは個人意思で建て替えができず、売りたいときに再販価値を高めることができない。

さらに、マンション維持費には管理人・管理会社のコストが乗っているので、将来価値に比べて現在価値をその分多く割り引かなければならない。

中古の場合は、修理費など予想以上の維持費がかかる場合もあるが、新築にかかる経費よりは安い。

税金も忘れてはいけない。不動産取得税が3~4%、固定資産税。錯覚しがちだが、住宅ローン減税は実は支払う税金が非常に高い。

当たり前だが、人が住みたいと思う地域の物件の値段は下がりにくい。一流大学や一流企業周辺は、人の出入りが激しく買い手が見つかりやすく、学生としてそこに住み着くと愛着がわき人が離れにくいという傾向がある。難しいが、駅ができる場所を予想するのも一考。

借りるか買うか

値上がりしない5000万円の物件が月15万で借りられるケースを考える。借りるとすると、賃料年180万円。物件を貸す側の利回りは、180÷5000=3.6% ここから固定資産税、維持費、減価償却費を払うわけだから、貸す側が赤字になるかもしれない。借りる側から見てみよう。同じ物件を「買う」と仮定し5000万円の住宅ローンを組むと、金利だけで3~4%かかる(3%としても150万円)。(※2018年2月現在、固定金利35年物で1.3%程度。とすると、70万円程度。)さらに税金(固定資産税≒取得価格×70%×1.4%)などの負担がある。合計すれば賃料180万円を上回りそうである。(2018年2月現在では、150万円程度になりそう。)だったら、賃貸のほうが得だということになる(2018年2月現在、この賃料設定であれば、トントンということになる。)

要するに、何円の資産価値がある物件を、何円の賃料で借りられるのかということ。そして一般人にとって、ある不動産の資産価値を見抜くことは難しいが、ある賃料が高いか安いかは見当がつけやすい。

勘違いしがちなのは、「ローン返済が終われば、住宅は資産となる。賃料を払い続けても資産として残らない賃貸はダメ」という理論。ローンを完済すれば資産となるのは当たり前である。購入者は、ローンに加え、金利や税金を払っている。上の例で言えば、賃借人は、「金利や税金しか」払っていないのだ。今のご時勢、住宅の価値は上がらないのだから、購入者のように、「将来5000万を割りそうな金融商品を今5000万円で買って、それを資産にしろ」というのは、まったくトンデモ理論もいいところである。

さらに、自分で住もうとして買った場合、住居がそこに限られてしまう。転職や出向のための引越しができない。リストラなどされて収入が減った場合、賃借なら住居のランクを下げて住み替えればよいが、買ってしまった後ではそうもいかない。隣人が変人だとしても我慢するしかない。

多くの金持ちが不動産を所有しているにもかかわらず、自分が住む家は賃貸であるという理由が少しはお分かりいただけただろうか。

なお、新築一戸建てを立てる場合、建築中の金利コストも所有者が払うということに注意。一方、戸建を売りに出す場合、戸建のクセ(家を建てた人の注文・家族構成に合わせて間取りが作られる)があることが多く、さらに、購入者の要望がそれとかけ離れていた場合、リフォーム費をかけないと売れない場合がある。

住宅ローンに関する情報操作

すでに述べたとおり、住宅は銀行・政府・建設会社、更に家を買うことによって付随して生まれる需要(車・家具・電化製品)などなどにとって非常に儲けの大きい商品であるため、世の中のすべてが、あの手この手を使って消費者に住宅ローンを組ませようとするといっても過言ではない。

例えば、電車広告の中刷り以外の長期契約広告は、住宅、消費者金融、教育関係で占められている。費用対効果のわかりにくい電車広告にそれほどのお金をかけられるほど儲けているという証拠。マスコミは、「30にもなって家を持っていないようじゃ情けない」等と意味不明の世論操縦。政府は、景気が悪くなると、目先の減税をエサに住宅ローンを組ませようと施策する。そして、ローン返済ができなくなる人が続出、サブプライム問題へ。

(株式投資についても然り。個人投資家を参入させ、負けさせ、機関投資家が儲けられるように、いかにも株で簡単にお金が儲かるといった内容の書籍・雑誌・テレビ番組などを作るのである)

(生命保険についても然り。必要以上に補償の大きな保険を勧め、低減型のような客単価の低い、手数料が低い商品は勧めない。)

不動産で利ざやを稼ぐためには、不動産の資産価値をしっかり見抜けるほどに勉強しなければならない。

それでもあなたは、自分の所有欲を満たすため、身分の高さを示すためだけに、家を買いますか?

不動産(REIT

住宅ローンを組まずに、自分の資産ポートフォリオに不動産を組み込むことができるのが、リート。すなわち不動産投資信託のこと。デフレ脱却やオフィスビル需要増、金利低下などにより利回り好調。

当然リスクはある。不動産をファンドで買う場合、すべてを出資者からの資金でまかなうのではなく、一部を借入金でまかなっている。今後景気が回復し、金利が上がると、尺入金部分の金利も上がる。不動産がその金利ほど上昇しない可能性が出てくる。不動産の供給過剰は賃料低下や基準価格を下げる要因になる。

市場規模が成長し、主力金融資産となる可能性はある。

投資信託

行員のカモにされないこと。数年単位で投資信託の買い替えをさせると、買い替えのたびに手数料が入るため、販売手法がマニュアル化している。

購入時手数料が1~2%、年間信託報酬が1~2%。ノーロード(購入時手数料ゼロ)も増加中。ほぼすべての金融商品に対応したバランス型などは、その手間の分手数料も高くなる。逆に、人の判断がいらないパッシブ型(日経225等のインデックスファンド等)は手数料が安い。

分散投資をプロがしてくれるため、騙されなければ、手数料はかかるが、時間の節約、金融の勉強代の節約、外国の市場情報を得る手間の節約になり、リターンもある程度期待できる。(ただ、勝間はJPモルガンにいた過去があるため、あまり投信の悪口をいえないという面もある)

投信のパンフレットを読んで正しく情報判断できるようになること。

新興国の投資信託が数年で倍になる等その話題性が高いが、リターンリバーサル、つまり急激に価格が上がったものはその後下がる可能性も高く、逆もまた然り。これは統計上証明されている。

生命保険

住宅に次ぐ大きな金融商品。

生命保険の内容は、大きく分けて次の二つ。

①死亡や病気等に対するリスクを軽減する(いわゆる掛け捨て部分)

②退職後や、子孫のために資産運用として貯蓄に対応する(いわゆる積み立て部分)

この二つの分離が不透明であるため、三つの問題が生じる。

①貯蓄部分がどのような運営をされているかがわかりにくい

これまでの生命保険会社は、保険料を債券や株式、不動産等に投資していたため(街中に○○生命ビルという名前のビルが多いのはそのため)これが消費者にとって、バランス型の投資信託の代わりとなっていた。金融商品として、ほかの商品とどちらが有利なのかを厳しい目で見極めること。

②保険のコストは通常の金融商品の手数料よりも割高で、かつ「保険金詐欺コスト」など見えないコストも負担している

生保には「費差(人件費・税等)」「死差(予定の死亡率と実際の死亡率の差)」のコストがかかる(「利差(運用益)」を加え、この3つを生保の剰余金の3利源と呼ぶ)。他にも、保険金詐欺のリスクカバーのための費用も保険料に含まれている。

③死亡保障は定額保険が主流のため、本当に必要な額よりも多額の掛け金がかけられていることが多い

保険者の多くが、自分(家族)が死亡したときに必要な補償はいくらなのかを厳密に把握していない。勝間は、子供が成長するにつれ保証金は少なくて済むようになるため、逓減型の保険に入っている。極端な、養うべきものがいなければ葬式代さえまかなえればいい。

金融商品としての生保と、生活保障としての生保を切り離し、もし過度に払っていた掛け金があるならば、それを別の運用にまわすことを考えるべき。

コモディティ(商品)

銅・金・石油・大豆・豚肉・小麦などの現物を投資の対象にとったのがコモディティ。

先物のイメージが強いが、コモディティを買うときは商品ファンドといわれる投資信託のほうが一般的。

一部の世界(中国インド東欧など)で急速な工業化と人口増加が起こり、石油や穀物等の商品の需要が増加、値段が上がっている。

商品ファンドは、債券や株のファンドと比べて手数料が高い。なぜなら商品ファンドは知名度が低く、ファンドの資産残高が少ないため。

だが、分散投資の対象としてコモディティをとることは有効。

デリバティブ

金融派生商品。すべてのデリバティブには親(派生元)がある。

債券先物は、債券価格が親であり、その未来の価格が投資対象・デリバティブ。未来の債券価格を予想し、現在より高くなると予想すれば、未来のある時期に、現在の価格で債券を買うことで利益を生み出す。現在より低くなると予想すれば、未来のある時期に、現在の価格で債券を売ることで利益を生み出す。

オプションは、ある金額で何かを売買する権利。例えば、日経平均先物を18000円で買える権利を150円で買うと、18151円以上になれば権利行使して儲けることができる。逆に下がってしまっても、損失は150円で済む。また、18000円で売れる権利を150円で買うと、17949円以下になればその値段で買って権利行使して儲けることができる。逆にあがってしまうと、権利を使っても損するだけなので使わず、150円の損失。買う権利はコールオプション、売る権利はプットオプションと呼ぶ。オプションには期間が定められており、期間が長ければ長いほど儲けられる確立が上がるため価格も高くなる(期間利益)。

番外 確定拠出型年金

年金の受給額が決まっている確定「給付」型ではなく、出資金だけが決まっており、運用先は自分で選ぶという確定拠出型年金が増えている。確定拠出年金は、会社が変わっても年金が変わらないというメリットがある(運用指示・責任者が自分だから)。

しかし、「会社が運用して損を出したらその補填を会社が行う」という確定給付から、「自己責任でやれ」という確定拠出は、金融リテラシーのないものにとっては辛い。

応急処置として、4分割法がある。すなわち、運転資金の半分を国内、もう半分を海外に投資することとし、さらにそれぞれで、株式と債権に分けて投資するのである。運用先は、とりあえずインデックスファンドにでもしておけばよい。

実践

円高と円安

2004年5月から2007年8月の週次終値を基準として為替と日経平均株価の相関係数をとると、0.89という非常に高い相関係数が出る。つまり、円安が進めば株価が上がり、円高が進めば下がる。日本が輸出産業国であることを考えるとこれは当然といえる。

今後円高に進むか円安に進むかが予想できれば、為替でも株でも儲けることができるが、現実的には予想不可能。為替等決定要因が多すぎてとてもすべて把握することが不可能だからである(カオス理論)。

じゃんけん理論とチャート分析

FXで年率200%」「チャート分析で必ず儲ける」などというあおりのついた情報はすべてうそであるため触れないこと。実体験に基づく情報の場合でも、それは単に情報発信者が1000人に一人の幸運者だっただけのこと(勝間はこれを「じゃんけん理論」と呼ぶ)。その情報発信者が、もう一度その情報どおりに投資しても同じように儲けることは不可能だろう。

そもそも、本当に儲かる情報ならば、わざわざその情報を商品化して売らずとも、その情報を自分だけで利用していればよいはずである。

金融でしっかり儲ける方法の基本5原則

「私たちは金融の相場を予想できない」という前提に立つ。

  1. とにかく分散投資
  2. 年間リターンの目安として、10%は非常に高い、5%で上出来
  3. タダ飯はない(裁定取引はない。リスクなくしてリターンなし)
  4. 投資にはコストと時間が必要
  5. 管理できるのはリスクのみ、リターンは管理できない

金融リテラシーを身につけるための10のステップ

リスク資産への投資の意思を固める

実際にリスク資産に投資しなければ、本で学んだことは机上の空論に過ぎない。

これまでリスク資産に投資しなかった人の言い訳は、「仕事が忙しいからそんなことを勉強している時間がない」「自分の少ない資金では運用してもどうせ利益がほとんどでない」というものだ。

まったく逆である。「投資を勉強しないから仕事が忙しい」のであり、「投資をしないから資金が増えず少ないまま」なのである。

われわれはもともと、住宅ローンや生命保険、年金等のリスク資産に「知らず知らずのうちに」投資している。それらを見直すと同時に、「自分の意思で」リスク資産に投資すること。

リスク資産に投資をする予算とゴールを決める

勝間お勧めのゴール

①35歳くらいまでに、生活資金の最低6か月分~2年分を貯める

このくらい貯まっていれば、職業選択の自由が得られるから。転職活動や起業準備期間に最低6ヶ月ほどかかるということ。

35歳の時点で800万の資産を貯めようと思った場合、22歳から積み立てを始めたと仮定すると、年利4%で運用が回っているときには、月々3.64万円ずつ。年利が0.5%だったとしても、月々4.6万円ずつ。

②40歳以降は、労働収入の10%~30%を金融収入で積み上げる

40歳以降は雇用の流動性が低くなるため、いろいろな理由から収入減の可能性が出てきたとき、転職より、別の収入減を見つけて補うことを考えるほうが現実的。

年収600万円のサラリーマンの労働収入20%(つまり120万)を金融収入で得ようとした場合、年利4%とすると、必要なリスク資産の元本は3000万になる。50歳のときに3000万貯めるには、年利4%とすると、22歳のときから年に56.6万ずつ(月4.72万)貯めればよい。

50歳以降は、120万円のリターンをそのまま使わず再投資し、かつ、年に56.6万ずつの積み立ても継続していれば、60歳の定年のときには5120万円の資産ができることになる。5120万あれば、税引後年利4%のリターンとしても、月々の金融による収入が17万円以上となる。

証券会社に口座を開く

投資信託の種類が豊富な証券会社を選ぶのがお勧め。手数料が必要以上に多くとられないかをよく注意すること。

インデックス型の投資信託の積み立て投資を始める

月々3~5万程度で分散投資を行うならば、投資信託以外の方法は非現実的。

まずは、「ノーロード」かつ「インデックス」投信を買うことを勧める。ノーロードだから合計手数料が安いかというとそうでもないが、往々にして購入時手数料が高い投信は年間信託報酬も高い場合が多い。

さらに、4分割法を勧める。すなわち、

  1. TOPIXまたは日経平均など、日本株式のインデックスファンド
  2. 日本債券のインデックスファンド
  3. 海外株式へのインデックスファンド
  4. 海外債券へのインデックスファンド

の4つに四分の一ずつ投資する。①は種類が多いため、トラッキング・エラー率(インデックスにどれだけ忠実に従ったか)が少ないものを選ぶ。②を取り扱う証券会社の数が限られていることに注意。③と④は、たいていの証券会社でひとつくらいはある。

すべての投信に目論見書(説明書・パンフ)があるので目を通す。

投信は1万円単位でしか積み立てられない(2018年2月現在、100円単位で積み立て可能。いい時代になったもんだ。)ので、月々の積立金が4万の倍数でないときにどこを厚くするかという問題が発生する。この場合、海外のどちらか→日本のどちらか→海外の残った方→日本の残った方 の順がよい。

数ヶ月から半年、ながら勉強で基礎を固める

買った投信について運用レポートが月次くらいで届くので目を通す。値上がり、値下がり、こつこつと増えていくイメージを経験する。

年0.6%の信託報酬は高いのか?月々4万、年48万で投資したとすれば、48×0.006=2880円にしかならない。(ただし一年目のみの場合)自分で勉強するために本を買ったりするのより安い。年3000円でプロが雇えて、そのプロが定期的にレポートをくれ、それを元に勉強できると思えば、安いもの。(※2018年2月現在、俺が買っているインデックス投信は年0.15%の信託報酬。いい時代になったもんだ。)

投信についてより詳しく勉強したくなったら

「10万円から始める投資信託入門 初心者のための買い方・売り方ガイド」(稲葉精三 日本経済新聞社 2004年)

「投資信託の基礎」http://www.skkc.jp/trust/index.html

「もっと知りたい!Q&A投資信託」http://www.skkc.jp/qa/trust/index.html

インデックス投信が効率がよいという理由・理論については、

「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資不滅の心理」(バートン マルキール 日本経済新聞出版社 2007年)

日本でのリスク資産に関する情報は、極端に日本国内株式に偏っているため、情報が手に入りやすいからといって自分の資産を国内株に集中させがちだが、それは危険。このころになると金融に興味が出て、情報に踊らされやすいので注意。

ボーナスが入ったら、アクティブ型の投資信託にチャレンジ

インデックスはリスクが小さいことが利点だが、それだとつまらなく感じてくるかもしれない。手元によりリスクを取れる金ができたら、20万くらい、リスクの高い投資信託(アクティブ投信)にチャレンジしてみよう。

例えば、リートやグロソブ投信、BRICs投信などがある。エコ好きならエコファンドでもいいし、コモディティに興味があれば商品ファンドもいい。新興国が来ると思えば南米諸国投信でもいい。

多少のリスクをとることで、投資に対するワクワク感を継続し、興味を持続し、学びのモチベーションとする。

ここでも先ほどの4分割法のような視点を忘れないこと。アクティブ投信のすべてを中国株投信に回すというようなことはしない。海外株式に投資してもいいのは、4分割法からいえば、やはり総予算の四分の一である。

リスクマネジメントを学ぶ

アクティブ投信が増えるとリスクマネジメントをする必要がある。簡単なのは、「分散投資」と「ドルコスト平均法」。前者は割愛、後者は、毎回の投資額を同じにすることで、値が高い時期には少しの商品、値が低い時期には多くの商品、を自動的に買える様にする手法。安いときに多く買い、高いときに少なく買うというのは、より少ないお金で同数の商品が買えるということ(わずかの差だが、積もれば大きい)。

インデックス投信を月々定額積み立てで4分割しながら投資する方法は、この二つを同時に自動的に満たす。

また、リスクを計量する手法は、「シャープレシオ」が代表的。(「道具としてのファイナンス」にも書いてあった。)これが高いほどリスクリターンがよく、1を超えると優秀なイメージ(リスクリターンのグラフの傾きだから)。

シャープレシオ=(その資産のリターン-リスクフリーレート)÷その資産の標準偏差

モーニングスター等の投資信託評価会社が各ファンドのシャープレシオを計算しているので、チェックするとよい。

リターンが安定したら、投資信託以外の商品にチャレンジ

以上のことを終えるころには、投資を始めて半年以上たち、投信にはほぼ慣れたころであろう。投信は「自分で何かを運用している」感覚がないため、達成感がなく、モチベを下げがち。他の商品にも手を出そう。

例えば、TOPIXに連動しているのは投信だけでなく、ETFもある。こちらのほうが投信よりさらに信託報酬が安いため、純粋に日本株をポートフォリオに入れるという目的ならばこちらのほうがリターンがいい。

また、外国債券インデックス投信の代替として、外貨預金や外国為替証拠金取引(FX)がある。「知っておきたい外貨・FXの常識 (大竹のり子 西東社 2007年)」を参照。

これらは投資単価が大きいため、いくらまで投資するか、いつ損切りするかあらかじめ決めておく。

応用的な勉強に少しずつチャレンジ

ここまでくれば金融そのものに興味が出てくるころ。代表的名著を読んでおくのもいい。

「リスク 神々への反逆(上・下)」ピーター・バーンスタイン 日経ビジネス文庫 2001年

「株式投資の未来」ジェレミー・シーゲル 日経BP社 2005年

「敗者のゲーム」チャールズ・エリス 日本経済新聞社 2003年

<> 賢明なる投資家(上・下)」ベンジャミン・グレアム パンローリング 2005年

「投資の科学」マイケル・J・モーブッシン 日経BP 2007年

「ソロスの錬金術」ジョージ・ソロス 総合法令出版 1996年

「根拠なき熱狂」ロバート・J・シラー ダイヤモンド社 2001年

「行動ファイナンス」ヨアヒム・ゴールドベルグ リュティガー・フォン・ニーチュ ダイヤモンド社 2002年

「ジム・クレイマーの株式投資大作戦」ジム・クレイマー 日本経済新聞社出版会 2006年

「投資4つの黄金則」ウィリアム・バーンスタイン ソフトバンククリエイティブ 2003年

金融資産構成のリバランスの習慣をつける

1~2年に一回、投資した資産の入れ替え(リバランス)をする。例えば前述4分割法のケースなら、それぞれ運用成績が違うため、一年後には成績のよかった資産の金額が大きくなっている。

ある時期によいリターンを生んだ資産は、翌年のリターンが悪くなり、悪かった資産は翌年よくなる可能性が高い。そのため、例えば海外株式が値上がりし、総資産の35%を占めたとき、それを25%(つまり四分の一)相当になるまで売却し、そこで得た金額を、今度は成績の悪かった資産、例えば日本株などに割り当てる。

値上がりしている資産はそれが続きそうな気がして、売却がためらわれるし、逆に下がっている資産は売りたくなるが、なんとかこらえる。

投資原資の生み出し方

月に3万~5万の投資原資を生み出すには

  1. 住宅ローンを組まない
  2. 車を買わない(特に都市部の人)
  3. 生命保険見直し(定期逓減型にする)

これらで得られた金は、月々天引きにして自動的に積み立てること。目の前に金があると、人間はどうしても使ってしまう。

これからの資本主義社会で生きる

資本主義は、根本的・内在的に二つの問題を抱える。

  1. 格差が広がり、それが固定化されるため、真にやる気に応じた資源の分配がなされない
  2. 経済的利益を追求した結果、環境破壊が進み、地球の資源が急速に損なわれる

ジニ係数(資本が公平に分配されているかの指数)も増加の一途をたどり、ますます格差が拡大中。本人の能力ややる気によってではなく、生まれた身分の資産状況によって教育を受ける機会が決まり、結果地位が固定継承される。小さな政府路線は、所得の再配分等のセーフティネット、国の社会主義的役割を極力減らし、地方・市場に丸投げし、格差が広がった。競争が激化し、合法的範囲の中で戦っても勝てない企業は不正に手を染めた。

このような社会では、個人が自分で身を守るしかない。もう年金は当てにできない。自己責任の時代である。金融リテラシーはいまや必須の能力であり、将来は常識となる可能性がある。

金融を通じた社会への参加

現在、SRI(socially responsible investment)が流行りだした。単に利益のみを求めず、社会的によいことを行っている企業への投資である。現在のエコブーム等、倫理的側面が強調され始めた社会では、社会的によいことを行わない会社は批判・淘汰される可能性が高く、長期的に見れば社会的によいことを行っている企業が、より多くの利益を得る社会になりつつあるため、SRIファンドのリターンがインデックスファンドを上回るケースが出始めている。

SRIによって社会貢献する企業に貢献することができる。すなわち、よりよい方向へ世界を変えることができる。

金融の生涯教育

子供時代からお金について学ぶこと(「キッズ・マーケットキャンプ」などが例)、ずっと続けること。

 

なんだか専門的な用語がいっぱい出てきて難しかったけど、金融商品を売る側から見た裏話はおもしろいね!ぼくもダマされないようにしなきゃ!
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